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2012年03月22日 「実父に」戸籍訂正申し立て…性同一障害の夫 [現代の性(性別越境・性別移行)]

2012年03月22日 「実父に」戸籍訂正申し立て…性同一障害の夫
3月22日(木)

「実父になりたい」という気持ちには同情するが、法律的には無理筋だと思う。

民法772条は「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する」としている。

人工授精で授かった可能性が強い子でも、自然授精で授かった可能性も皆無ではない。
もしかすると、夫とのSexによる子かもしれない、という善意の「推定」に基づき「夫の子(嫡出子)」として戸籍に記載する。

つまり、実際に血縁があるかどうかの証明が必要とされるのではなく、血縁があるかもしれないという「推定」主義に立っている

実態として血縁があるかどうか、それが証明できるかどうかではなく、推定できればOKという考え方だ。

そもそも、子どもの出生届を出すときに、わざわざ「人工授精で授かった子です」と言う夫婦はまずいない。

つまり、戸籍係は人工受精児であることは知り得ないから、夫婦の子だから嫡出子だろうという「推定」をして戸籍に嫡出子と記す。

ところが、今回の場合、夫の戸籍には元女性であったことが明記されている。
戸籍係はそれを容易かつ明白に知り得る。

元女性には100%授精能力はない。
「夫の子だろう」という「推定」は成り立たない。
善意の「推定」をする余地がないのだ。

したがって、戸籍に嫡出子と記すことはできないことになる。

一方、自治体が勧める特別養子縁組制度にすれば、戸籍上も実子と同様の扱いになり、かつ養子は嫡出子である。
なぜ、それではいけないのだろうか?

なにか養子に対して強い偏見があるのではないだろうか?と思ってしまう。

この問題で、いつも思うのは、生まれてきた子どもを嫡出子と非嫡出子に分ける制度そのものが、子どもの(とくに非嫡出子の)人権と福祉に反する重大な差別だということ。

そうした制度の差別性を指摘・批判することなく、ひたすら「嫡出子として認めてほしい」という主張には、私は、申し訳ないが、論理的にも、気持ち的にも乗れない(支持できない)。

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「実父に」戸籍訂正申し立て…性同一障害の夫

心と体の性が一致しない性同一性障害のため戸籍上の性別を女性から男性に変えて結婚した大阪府在住の夫(29)が21日、第三者の精子を使った人工授精で妻(30)との間に生まれた男児(2)について、戸籍上、実父と認められないのは不当だとして、戸籍の訂正を東京家裁に申し立てた。

法務省によると、女性から男性に性別を変えた夫の妻が出産した届け出は全国で16件。すべてが戸籍上は、未婚の男女間の子(婚外子)扱いで妻の子とされ、父親欄は空白になっており、その是非を巡る司法判断を求めるのは全国初となる。

夫は2008年に性同一性障害に関する特例法に基づいて戸籍の性別を男に変更し、妻と結婚。09年11月、妻が男児を出産した。

夫は当時住んでいた兵庫県内の自治体に出生届を提出。自治体側は「父親とは認められない」として、いったん婚外子としたうえで実子と同様の扱いとなる特別養子縁組を提案したが、夫は「養子ではなく、普通の父親として認めてほしい」として届けを取り下げた。

今年1月、本籍地のある東京都新宿区に再び、出生届を出したが、区は東京法務局の指導で、3月2日に職権で、婚外子扱いで妻の子として戸籍に記載し、父親欄は空白とした。

これに対し、夫は「特例法で男、夫になれた。法の趣旨から父親になれる権利もある」として、父親欄に自身の名前を記すよう戸籍訂正を求めて申し立てた。

申立書では、婚姻中の女性が人工授精で出産した子どもを「夫の子と推定する」とした民法772条に基づき、「戸籍上、夫の子と記載すべきだ」としている。

法務省は「夫は以前女性だったので、妻が婚姻中に産んだ子としても夫の子とは推定できず、法的に男児の実父とはいえない」としている。

『読売新聞』2012年3月21日
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120321-OYO1T00726.htm


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